智恩寺
知恵の輪から扇子おみくじまで!見どころいっぱい!
天橋立から徒歩約5分の場所にある「智恩寺」は、奈良県桜井市の安倍文殊院、山形県高畠町の亀岡文殊とともに、日本三文殊のひとつに数えられています。
「三人寄れば文殊の智恵」のことわざでも知られる“智恵の仏様”文殊菩薩が本尊として祀られ、受験合格や学業成就を願う人たちが全国各地から参拝に訪れることでも有名。
智恩寺に残る伝説「九世戸縁起」では、日本の国土創生のとき、いざなぎ・いざなみの二神がこの地で暴れていた悪龍を鎮めるために中国の五台山より文殊菩薩をお迎えし、悪龍を善龍にしたと伝えられています。
茶屋通りを歩いて行くと智恩寺入り口にそびえ立つ、大きな山門が姿を表します。
この山門は、再建にあたって後桜町天皇から黄金を下賜されたことによって、「黄金閣」と称されているとか。細部に至るまで本格的な禅宗様になる山門として、丹後地方最大のもので足掛け7年に及ぶ工事を経て、明和4年9月に上棟。
大工はなんと8780人を要したと言われており、その人数からも山門の壮大さと緻密さがしのばれます。
山門をくぐり境内に入ると、まず左手に見えるのが「多宝塔」。
府中城主が自分の病気全快を感謝して建立されたものと伝えられています。
明応9年に建立されたもので、室町時代のものとして丹後地方唯一の遺構で、重要文化財にも指定されています。
この多宝塔と向かい合うところには、3体の等身大の石仏が立っています。
雪舟の「天橋立図」にも描かれており、左手宝珠を捧げ、右手は錫杖を持つ形から地蔵菩薩像と知られているそうです。
そしてもうひとつ。お祭りの余興などで力自慢の青年たちが石を持ち上げて、その力を競い合ったという、大中小3種類が並ぶ「力石」。
なんと、石の重さは、大130kg、中100kg、小70kgにもなるそう。
「この石に触ると不思議と力と智恵が授かる」という言い伝えがあるので、持ち上げることはできなくても、ぜひ石に触れてくださいね。
そして、本堂へ足を進めると、本堂手前左側にお参りの前に身を清める「鉄湯船(手水鉢)」があります。この手水鉢は、鎌倉時代に湯船として造られたもので、寺院の大湯屋にて寺僧の施浴に用いられていたそう。
ここで身を清めたら、次はいよいよ、智恩寺一番の見どころともいうべき「文殊堂」です!
智恵を授ける神様として知られるご本尊の文殊菩薩は、銅板葺き屋根の本堂であるこの文殊堂に祀られています。
しかし、秘仏とされているため、残念ながら平常はそのお姿を拝むことはできません。
とは言え、秘仏と言われると見たくなるのが人情ですよね!
どうしてもお姿を一目拝んでみたい人は、年5日だけ御開帳される、元旦三ヶ日と1月10日(十日えびす)と7月24日(出船祭)に合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。
本堂を参拝した後は、本堂横に建つ「鐘楼門」を見ておくこともお忘れなく。
二人の子女を相次いで亡くした宮津の商家木村正英によって、享保七年(1722)に建立された鐘楼門は、二人の法名から「暁雲閣」と呼ばれています。
下層の両側に亀腹が付いて、やや前に張り出している「竜宮門形式」と呼ばれる特徴的な造りは、確かに竜宮城のイメージにぴったりの門構えと言えますよね!
そして、本堂前から観光船乗り場へと向かう途中、右手にあるのが霊木「文樹」です。
智恩寺の文殊に通じる名称で「文」を「かざる」と読み、「人生を智恵で飾る者に幸いが訪れる」とのこと。
この文樹の樹液は霊気を発し、上質の線香作成に用いられるとか。まさに霊木と呼ぶにふさわしい大樹ですね。
そして、参拝の締めくくりに忘れてはいけないのがおみくじ。
数々のおみくじが並ぶ中で、ひときわ目を引く存在が「すえひろ扇子おみくじ」です。
境内のいたるところに結びつけられた扇子がまるで花が咲いたように見えますが、これが「すえひろ扇子おみくじ」なのです!
扇子を広げると吉凶がわかる一風変わったこのおみくじは、珍しいので記念に持って帰りたくなりますが、境内の松の木に結び付けるのが習わしです。
お参りしたら、運だめしにこの「すえひろ扇子おみくじ」を引き、あなたも境内の松の木に扇子の花を咲かせてみてはいかがでしょうか。
最後に足を運んでもらいたいのが、智恩寺の北側のボート乗り場付近に位置する「智恵の輪 燈籠」です。
昔は船の安全を願い建てられたものですが、「この知恵の輪を3回くぐれば文殊の智恵を授かる」という言い伝えがあるそう。
しかし、身体ごとを通すのはNGなのだとか!さあ、あなたはどうやってこの知恵の輪をくぐりますか?
3人集まればその答えが見つかるかもしれませんよ。
- お問い合わせ先
- 智恩寺
- TEL
- 0772-22-2553
- 所在地
- 京都府宮津市字文珠466
- 施設からの距離
- 車で22分